子どもの行き渋りが気になったら|発達障害との関係と関わり方

発達障害のある子どもの不登校が気になったときのサポートまとめ

お子さまが学校に行き渋ったり、不登校の状態が続いたりすると、保護者の方は「このままで大丈夫なのか」「勉強が遅れてしまうのではないか」と不安になることがあるかもしれません。

発達障害のあるお子さまの場合、学校生活の中での苦手さや失敗体験の積み重ねが、不登校や行き渋りにつながることがあります。 そのため、単に「学校へ行かせること」を目標にするのではなく、お子さまがなぜ学校に行きづらくなっているのかを丁寧に見ていくことが大切です。

この記事では、発達障害と不登校の関係、特性によって起こりやすい困りごと、家庭や学校でできるサポートについて、わかりやすく整理してご紹介します。


✅1.発達障害と不登校の関係を知ろう

発達障害は、生まれつきの脳や神経系の特性によって、日常生活や社会生活の中で困りごとが生じることがあります。 お子さまの場合、本人の特性と学校生活の環境が合わないときに、強いストレスを感じたり、不登校や行き渋りにつながったりすることがあります。

不登校の背景には、学校生活の中での失敗体験が重なっていることがあります。 授業についていけない、友達関係がうまくいかない、忘れ物が多い、先生や友達から理解されにくいなど、特性による苦手さが学校生活の中で目立ってしまうことがあります。

不登校につながりやすい背景

  • 授業についていくことが難しい
  • クラスの中でうまくなじめない
  • 忘れ物や提出物の管理が難しい
  • 先生から叱責を受けやすい
  • 同級生からからかわれるなど、否定的な経験がある

学校への行き渋りは、お子さまからのSOSとして受け止めることが大切です。 「行きたくない」と言う背景に、どのような苦しさや困りごとがあるのかを考えるところから、サポートが始まります。

✅2.特性によって起こりやすい困りごとを整理しよう

不登校の原因となる困りごとは、お子さまの特性によってさまざまです。 同じ診断名であっても、困りごとの出方や必要な支援は一人ひとり異なります。

ここでは、ASD、ADHD、SLDの特性に関連して、学校生活で起こりやすい困りごとを整理します。

ASDの特性による困りごと

ASDのあるお子さまは、コミュニケーションや対人関係に難しさが見られることがあります。 相手の気持ちを読み取ることや、場の空気に合わせることが苦手で、友達関係でトラブルになったり、孤立感を抱いたりする場合があります。

また、見通しが立たない状況への不安が強く、急な予定変更や初めての行事などで混乱してしまうこともあります。 こだわりの強さや感覚過敏によって、学校生活の中で大きな負担を感じることもあります。

ADHDの特性による困りごと

ADHDのあるお子さまは、注意を向け続けることや、行動をコントロールすることに難しさが見られることがあります。 忘れ物が多い、授業に集中しづらい、片付けが苦手、じっと座っていることが難しいなどの困りごとが起こる場合があります。

また、衝動的な言動が出やすく、思ったことをすぐ口にしてしまったり、怒りを強く表現してしまったりすることで、対人トラブルにつながることもあります。 こうした経験が積み重なると、本人の自信が下がり、学校へ行くこと自体がつらくなる場合があります。

SLDの特性による困りごと

SLDは、知的な発達全体に大きな遅れがない一方で、読み・書き・計算など特定の学習に困難が見られることがあります。 文字を読むこと、書くこと、計算することなど、一部の学習だけが極端に難しい場合があります。

周囲からは「勉強が苦手」「努力が足りない」と誤解されやすく、本人も「自分はできない」と感じてしまうことがあります。 その結果、自己肯定感が下がり、授業や学校そのものへの苦手意識が強くなることがあります。

特性別に見られやすい困りごと

  • ASD:対人関係の難しさ、不安の強さ、こだわり、感覚過敏
  • ADHD:注意のそれやすさ、多動性、衝動性、先延ばしや実行の難しさ
  • SLD:読み・書き・計算など、特定の学習の困難

✅3.特性に合わせたサポート方法を考えよう

学校生活で困りごとが出ている場合には、「なぜできないのか」と責めるのではなく、「どうすればできるようになるのか」を考えることが大切です。 特性に合わせた工夫や環境調整があることで、失敗を減らし、成功体験につなげやすくなります。

ASDへのサポート

対人関係に不安がある場合には、無理にたくさんの友達を作らせるのではなく、その子に合った人との関わり方を考えることが大切です。 ソーシャルスキルトレーニングなどを通して、適切な関わり方を少しずつ学ぶ方法もあります。

不安が強い場合は、予定や活動内容を前もって伝え、見通しを持てるようにすることが役立ちます。 初めての行事や予定変更があるときには、どこで、誰と、何をするのかを具体的に説明し、困ったときの対処法も一緒に確認しておくと安心につながります。

ADHDへのサポート

ADHDの特性による失敗がある場合には、一度の失敗で終わりにせず、もう一度取り組める環境を整えることが大切です。 忘れ物が多い場合であれば、前日に連絡帳を見ながら持ち物を確認する、保護者と一緒に再確認するなど、具体的な工夫を考えていきます。

大切なのは、「また忘れた」と叱ることではなく、失敗を次の工夫につなげることです。 セカンドチャンス、サードチャンスを用意しながら、少しずつできることを増やしていく関わりが必要です。

SLDへのサポート

SLDのあるお子さまの場合、まずはどの学習に困難があるのかを丁寧に見極めることが大切です。 「勉強が苦手」と一括りにせず、読むこと、書くこと、計算することのどこに難しさがあるのかを確認していきます。

たとえば、聞き逃しが多い場合には録音を活用する、板書が難しい場合にはカメラや別資料を使う、計算が難しい場合には電卓を活用するなど、補助ツールを使った工夫が役立つ場合があります。 学校に使用の相談をしながら、本人が学びやすい方法を探していくことが大切です。

サポートの考え方

  • できないことを責めず、原因を整理する
  • 本人に合った工夫や環境調整を考える
  • 失敗しても再チャレンジできる機会をつくる
  • 学校と情報共有し、支援方針をそろえる
  • 必要に応じて専門家に相談する

✅4.保護者ができる家庭での関わり方

お子さまが「学校に行きたくない」と言ったとき、保護者の方は焦りや不安を感じることがあります。 しかし、その場で強く叱ったり、無理に登校させようとしたりすると、お子さまをさらに追い詰めてしまうことがあります。

まずは、お子さまの気持ちに寄り添い、行きたくない気持ちを否定しないことが大切です。 そのうえで、なぜ学校に行きづらいのかを、お子さまのペースに合わせて聞いていきます。

気持ちに寄り添う

学校に行けない背景には、本人にとってつらい経験や不安がある場合があります。 「休んでいいよ」と伝えることが、心の逃げ道になることもあります。 まずは安心できる関係の中で、気持ちを受け止めることが大切です。

行きたくない理由を聞く

不登校へのサポートを考えるには、学校に行きたくない理由を知ることが必要です。 ただし、保護者の方が理由を決めつけたり、答えを急がせたりすると、本人が本当の気持ちを話しにくくなることがあります。

無理に聞き出そうとせず、話せるタイミングを待つことも大切です。 お子さまが少しずつ話してくれた内容から、学校生活での困りごとを整理していきましょう。

理由に合わせた支援を考える

行きたくない理由が見えてきたら、その理由に合わせたサポートを考えていきます。 学習面のつまずきがある場合、対人関係の不安がある場合、感覚過敏がある場合など、それぞれ必要な支援は異なります。

家庭だけで対応しようとせず、学校や療育施設、医療機関などと連携しながら、お子さまに合った関わり方を考えていくことが大切です。

家庭で大切にしたい3つのステップ

  1. お子さまの気持ちに寄り添う
  2. 学校に行きたくない理由を、本人のペースで聞く
  3. 理由に合わせたサポートを学校や専門機関と一緒に考える

✅5.学校や専門機関と連携しよう

不登校や行き渋りへのサポートでは、学校との連携がとても重要です。 学校でのお子さまの様子や、クラスの状況、困りごとが出やすい場面を共有しながら、必要な配慮や支援方法を相談していきます。

学校生活での困りごとがある場合には、合理的配慮について相談することも大切です。 お子さまの特性に応じて、別室学習、刺激の少ない環境、持ち物確認の工夫、補助ツールの使用など、必要な支援を一緒に考えていきます。

また、家庭や学校だけで解決が難しい場合には、公的機関、福祉・医療機関、民間団体などに相談することも選択肢になります。 放課後等デイサービスやフリースクールなど、学校以外の居場所が、お子さまの安心感や自己肯定感につながる場合もあります。

相談先・連携先の例

  • 学校、担任の先生、スクールカウンセラー
  • 児童相談所などの公的機関
  • 医療機関、療育施設
  • 放課後等デイサービス
  • フリースクールやNPOなどの民間団体

✅6.復学以外の選択肢も視野に入れよう

不登校への対応では、「今の学校に戻ること」だけをゴールにしないことも大切です。 お子さまの特性や状態によっては、別の学び方や居場所を検討することが、本人にとって安心できる選択になる場合があります。

具体的には、特別支援学校や特別支援学級、通信制学校、サポート校、フリースクールなどがあります。 それぞれに特徴やメリット・デメリットがあるため、お子さまとの相性や必要な支援、費用面なども含めて検討することが大切です。

復学以外の主な選択肢

  • 特別支援学校・特別支援学級:障害のある児童生徒を対象とした学びの場
  • 通信制学校:郵送やオンラインなどを活用し、自分のペースで学ぶ学校
  • サポート校:通信制高校に通う生徒を支援する民間の教育施設
  • フリースクール:学校に行けない子どもを対象に、学習や相談、体験活動などを行う民間施設

発達障害のあるお子さまの不登校や行き渋りには、学校生活での失敗体験や、特性と環境のミスマッチが関係している場合があります。 そのため、「学校に行かせること」だけを急ぐのではなく、お子さまの心を守りながら、行きづらさの背景を丁寧に理解することが大切です。

家庭では、お子さまの気持ちに寄り添い、学校に行きたくない理由を少しずつ整理していきましょう。 そして、学校や専門機関と連携しながら、特性に合った支援や環境調整を考えていくことが必要です。

復学だけにこだわらず、学校以外の居場所や学び方も視野に入れながら、お子さまが安心して過ごせる環境を一緒に探していきましょう。 小さな安心や成功体験を積み重ねることが、次の一歩につながります。

クラップでは、お子さま一人ひとりの特性や状況に合わせた支援を行っています。 お困りのことがございましたら、お気軽にご相談ください。