子どもが友だちを叩いてしまったら?親の対応・謝罪と学校への相談方法
学校や放課後等デイサービスから「お子さまが友だちを叩いてしまいました」と連絡を受けると、驚きや心配から、どう対応すればよいか分からなくなることがあります。
- 相手の保護者に、すぐ連絡したほうがいい?
- 謝罪は、どのようにすればいい?
- 子どもには、何と伝えればいい?
まずは相手のお子さまの安全やけがを確認し、その場の状況を先生や職員に聞きましょう。相手の保護者への対応も、学校・園・放デイに間に入ってもらうよう相談できます。
この記事では、保護者の対応と、同じことを繰り返さないための関わり方を紹介します。
最初に確認したい3つのこと
- 相手のお子さまに、けがや痛みはないか
- どのような場面で、何が起きたのか
- 相手への連絡や謝罪を、どう進めるか
相手の保護者への対応は、学校・園・放デイに相談しましょう
学校・園・放デイで起きたことについては、まず、その場にいた先生や職員に状況を確認します。子どもの説明だけでは、出来事の順番や、その前後のやり取りが分からないこともあります。
相手の保護者への連絡や謝罪についても、直接連絡する前に、先生や職員に相談して構いません。
先生や職員への相談例
「相手のお子さまに、おけがはありませんか。どのような場面で起きたのか教えていただけますか。相手の保護者への謝罪についても、どのように進めればよいか相談させてください。」
「先生を交えてお話しすることはできますか」とお願いする方法もあります。
先生や職員を通じて謝意を伝える、先生を交えて話すなど、状況に合った方法を相談できます。保護者だけで対応を決め、抱え込む必要はありません。
相手の保護者に謝罪するときの伝え方
叩いたことが確認できた場合は、その行為について謝罪し、相手のお子さまのけがや、その後の様子を気遣います。
謝罪の言葉の例
「このたびは、うちの子がお子さまを叩いてしまい、申し訳ありませんでした。おけがや、その後のご様子を心配しております。先生とも状況を確認し、同じことを繰り返さないよう、関わり方を相談していきます。」
わが子にも、嫌だったことや困っていたことがあるかもしれません。その背景は、先生や職員と確認し、今後の支援に生かします。
ただし、謝罪の場で「でも、相手の子が……」と続けると、叩いたことを正当化しているように伝わることがあります。謝罪と、詳しい状況の確認は分けて考えましょう。
また、謝罪した後も、すぐに許してもらうことや、子ども同士の仲直りを求めず、相手の気持ちを尊重することが大切です。
叩いてしまった子どもには、どう伝える?
落ち着いてから、短い言葉で伝える
子どもが興奮しているときは、まず安全を確保し、落ち着けるように関わります。その後、短い言葉で出来事を確認しましょう。
「嫌だったんだね。でも、叩くと相手が痛いよ」
「怒ったときは、叩く前に先生を呼ぼう」
気持ちを受け止めることと、叩く行動を止めることは、両方大切です。
理由を問い詰めず、背景を確認する
「どうして叩いたの?」と聞かれても、理由を整理して話せないことがあります。
話せる範囲で聞きながら、その場にいた大人の情報も合わせて確認します。「貸してほしかった?」「やめてほしかった?」と短く尋ねる方法もありますが、大人が答えを決めつけないようにしましょう。
子どもに謝罪を促すときも、言葉だけを言わせることが目的にならないよう、何が起きたのか、相手にどのような影響があったのかを、理解できる形で伝えていきます。
カードとロールプレイで「こんなとき、どうする?」を練習
自分と相手の気持ちを考える
クラップでは、プリントやカードに描かれた場面を見ながら、「こんなとき、どうしたらよい?」を一緒に考える支援を行っています。
「使っている物を取られた」「順番を抜かされた」などの場面について、まず「自分だったら、どんな気持ちになるかな」と確認します。
そのうえで、「叩かれた相手は、どんな気持ちになるかな」「こう言われたら、どう感じるかな」と、相手の気持ちを想像する経験も積み重ねていきます。
言葉にすることが難しい場合は、表情や気持ちのカードから選ぶなど、お子さまに合わせて進めます。相手の気持ちは一つに決めつけず、「痛いかもしれないね」「びっくりしたかもしれないね」と、いくつかの可能性を考えます。
叩く代わりに使える言葉や行動を練習する
場面を確認した後は、職員と役割を分けて、実際に言葉や行動を使ってみます。
ロールプレイで練習する例
- 物を取られたとき:「まだ使っているよ」
- 嫌なことをされたとき:「やめて」と伝えて離れる
- 自分だけでは解決できないとき:「先生、手伝って」
- 怒りが強くなったとき:大人に知らせ、落ち着ける場所へ移動する
言葉が思いつかないときは、職員が見本を示したり、カードの言葉から選んだりしながら、一緒にやってみます。
「叩いてはいけない」で終わらず、「その代わりに何ができるか」を具体的に練習します。
叩くことを繰り返す場合
相手の気持ちが分かっていても、怒ったときには言葉が出ないことがあります。また、ロールプレイで練習できても、実際の場面ですぐに使えるとは限りません。
家庭・学校・放デイで、使う言葉や助けを求める方法を共有し、その場でも大人が支えます。
- トラブルが起きやすい場面で、早めに声をかける
- 順番や貸し借りのルールを、見て分かる形で示す
- 困ったときに相談できる大人を確認する
- 必要に応じて、距離を取ったり休憩したりできるようにする
「叩く前に先生を呼べた」「声かけがあると離れられた」など、具体的な変化を確認しながら支援を調整していきます。
トラブルへの対応を、次につながる経験に
子ども同士のトラブルを、すべて防ぐことは難しいものです。ただ、大人が間に入り、お子さまの気持ちや状況を丁寧に確認することで、気持ちの伝え方や、困ったときの対応を学ぶ機会につなげることができます。
まずは安全を確保し、お子さまの気持ちを受け止めることを大切にします。そのうえで、落ち着いてから「次に同じことがあったら、どうしようか」を一緒に考えていきます。
クラップでは、一度で身につけることを求めず、お子さまに合った方法で経験を重ねていくことを大切にしています。保護者の方や学校と連携しながら、自分の気持ちを伝えること、相手の気持ちを想像すること、必要なときに助けを求めることを支えていきます。
クラップでは、一人一人に合った関わり方を考えます
友だちを叩いてしまったときには、その行動を止めるとともに、背景にある困りごとにも目を向けます。
保護者の方とも状況を共有し、お子さまが実際の生活場面で使える方法を一緒に考えていきます。友だちとの関わりや、気持ちの伝え方について気になることがありましたら、お気軽にご相談ください。

