板書を書き写すのが苦手な子どもへ|時間がかかる理由と支援の考え方

板書を書き写すのが苦手なお子さんへ
時間がかかる理由と支援の考え方

黒板やホワイトボードに書かれた内容をノートに写すとき、 「時間がかかってしまう」「途中でどこを書いていたか分からなくなる」といった姿が見られることがあります。

板書を写すことは、一見すると「見て書くだけ」の活動に見えるかもしれません。 しかし実際には、黒板を見る、必要な場所を探す、文字や文章を覚える、ノートを見る、書く場所を確認する、 記憶した内容をもとに書く、という複数の動きが組み合わさっています。

そのため、書き写しに時間がかかる場合には、単に「書くのが遅い」と考えるのではなく、 どの過程で負担が大きくなっているのかを丁寧に見ていくことが大切です。

板書を書き写すときに必要な力

板書を書き写す活動では、大きく分けると「見ること」と「書くこと」が必要になります。 ただし、その中にはいくつもの細かな動きや働きが含まれています。

板書を書き写す流れ

  • 黒板やホワイトボードに視線を向ける
  • 書き写す必要のある文字や文章を探す
  • 見た文字や文章を一時的に覚える
  • ノートに視線を戻す
  • ノートのどこに書くかを確認する
  • 覚えた内容をもとに文字を書く

このように、板書を書き写す場面では、見る・覚える・書くという活動を何度も繰り返しています。 そのため、どこか一つの過程に難しさがあるだけでも、全体として時間がかかりやすくなります。

黒板を見るときにも、目と体の動きが関係している

ノートを見ている状態から黒板を見るためには、目だけでなく頭を上げる動きも必要になります。 つまり、目の動きと頭の動きをうまく合わせながら、黒板の方へ視線を移していく必要があります。

この切り替えがスムーズにいかない場合、黒板を見るまでに時間がかかったり、 どこを見ればよいのか分かりにくくなったりすることがあります。

この段階で見られやすい様子

  • 黒板を見るまでに時間がかかる
  • 視線を移したあと、書く場所を探すのに時間がかかる
  • 黒板とノートを何度も見比べている
  • どこまで写したか分からなくなる

書き写す場所を探す力も必要になる

板書を書き写すときには、黒板全体を見るだけではなく、 「自分が次に写す場所」を見つける必要があります。

そのためには、すでに書いたところを覚えておき、 次に写す文字や文章の位置を探す力が必要になります。 目を滑らかに動かすことや、直前に見た内容を覚えておく力も関係してきます。

どこまで書いたかを見失いやすい場合には、板書の量が多いほど負担が大きくなることがあります。

文字や文章をどのように覚えているか

書き写しの速さには、見た内容をどのくらいのまとまりで覚えられるかも関係します。

例えば、短い文章を一文として覚えられる場合は、黒板を見る回数を少なくして書き進めやすくなります。 一方で、一文字ずつ覚えて書いている場合には、黒板を見る回数が増え、その分時間がかかりやすくなります。

覚え方による違い

  • 文章のまとまりで覚えられると、比較的スムーズに書き写しやすい
  • 一文字ずつ覚えている場合は、何度も黒板を見る必要がある
  • 漢字の線や形の一部だけを覚えている場合は、さらに確認の回数が増えやすい
  • 覚えることに負担があると、書く前の段階で時間がかかりやすい

特に漢字は、直線や曲線など複数の線で構成されています。 形や書き順を一部ずつ確認しながら写している場合には、何度も見直しが必要になり、時間がかかることがあります。

「書くのが遅い」と決めつけないことが大切

板書を書き写すのに時間がかかると、「もっと早く書こう」と声をかけたくなることがあります。 しかし、実際には書く動作そのものだけでなく、見る場所を探すことや、文字を覚えることに時間がかかっている場合もあります。

そのため、まずはどの過程で時間がかかっているのかを観察することが大切です。 書く前に時間がかかっているのか、黒板とノートを見比べる回数が多いのか、 書き始めてから文字の形を確認することが多いのかによって、必要な支援は変わってきます。

確認したいポイント

  • 黒板に視線を向けるまでに時間がかかっていないか
  • 次に写す場所を探すのに時間がかかっていないか
  • 黒板とノートを何度も見比べていないか
  • 文字や文章をどのくらいのまとまりで覚えているか
  • 漢字の形や線を細かく確認しながら書いていないか

お子さんに合った支援を考える

書き写しに時間がかかる場合には、苦手な部分を見極めたうえで、 お子さんに合った方法を考えていくことが大切です。

例えば、どこまで写したか分からなくなりやすい場合には、見る場所が分かりやすくなる工夫が必要になります。 一文字ずつ確認している場合には、少しずつまとまりで覚える練習が役立つこともあります。

大切なのは、「早く書くこと」だけを目標にするのではなく、 お子さんがどの部分で困っているのかを把握し、その過程に合った応援をしていくことです。

まとめ

板書を書き写すことは、見る・探す・覚える・視線を戻す・書くという複数の活動が組み合わさった作業です。 そのため、書き写しに時間がかかる場合には、単に書く力だけの問題ではなく、 目の動きや記憶、見る場所を探す力などが関係していることがあります。

どの過程で時間がかかっているのかを見極めることで、 お子さんにとって必要な支援や工夫が見つけやすくなります。

「なぜ時間がかかっているのか」を丁寧に見ながら、 お子さんが安心して書き写しに取り組める方法を一緒に考えていきましょう。

クラップでは、お子さま一人ひとりの特性や状況に合わせた支援を行っています。 お困りのことがございましたら、お気軽にご相談ください。